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オルソケラトロジー

眼そのものの形を整え、視力回復を促す治療

近視や近視性乱視のために日常的に眼鏡やコンタクトレンズを必要とされていらっしゃる患者さんたちへ、オルソケラトロジー(Orthokeratology)という治療法をご紹介いたします。オルソケラトロジーとは、角膜矯正のために特殊な加工が施されたハードコンタクトレンズを夜間、眠っている間に装着することで視力を改善させていく治療法を言います。ご自身の眼にピッタリとあった専用レンズを装着することにより、眼そのものの形を徐々に変化させて視力改善を目指すものです。

 

オルソケラトロジーの仕組み

近視の原因は眼への光の入り方にあります。オルソケラトロジーは目に入ってきた光を正しい位置(網膜上)にピントがあうように、光の曲がり方(屈折率)を矯正することで視力回復を促します。近年ではレーシック手術などが近視治療としては有名ですが、オルソケラトロジーは手術不要で費用もレーシック手術に比べれば安く抑えられるのがメリットです。就寝中にご自身にあった特殊加工の施されたコンタクトレンズを装着することで、眼とレンズとの間に発生する表面張力を利用し、その軽い圧によって眼の形を最適な形に整えていきます。さらに角膜の中央部を平坦にするなど、光が正しく入るように調整できます。

 

このような方におすすめです

激しいスポーツをされている方
水泳をされている方
眼鏡やコンタクトレンズをつけられない職業に就かれていらっしゃる方
その他、眼鏡やコンタクトレンズをつけられないご事情のある方
パイロットや自衛官、騎手やスポーツ選手など一定の裸眼視力が必要となる職業の方々
日中の眼鏡やコンタクトレンズをストレスに感じられている方
近視の進行抑制や予防をされたいお子さん  など

将来的には日中は裸眼で生活することが可能となります

寝ている間に眼の形そのものが正しく矯正されるため、朝レンズを外せば日中は眼鏡もコンタクトレンズも不要な生活を送ることができます。就寝時に使用する専用レンズは、日中に使用する通常のコンタクトレンズのような破損やズレの心配もなく痛みもありません。

オルソケラトロジーは近視の進行を遅らせたり、予防にも効果が期待されています

近年ではオルソケラトロジーにまつわるさまざまな研究が世界各国の大学や専門機関等で活発に進められています。それにより、オルソケラトロジーは近視の進行スピードを抑制したり、予防についても大きな効果があることがわかってきました。特に発育途上にあるお子さんたちにとっては、将来的な近視の予防にも効果があると期待されています。近視は、発症年齢が低いほどにその進行スピードもとても早いものです。柔らかな角膜を持つ成長期のお子さんほどオルソケラトロジーの効果は出やすく、早期に治療を開始するほど近視の進行を抑制する可能性が高まります。お子さんの裸眼視力は年々低下傾向にあります。視力低下によって大切な子供たちの将来の可能性を狭めてしまわないためにも、ぜひオルソケラトロジーを一度ご検討いただければと思います。

 

適用対象年齢について

コンタクトレンズのつけ外しをご自身で行える程度の年齢からの使用をおすすめしています。ご自身で安全にレンズを扱えないような小さなお子さんが使用する場合には、毎日のレンズのつけ外しや洗浄、管理は保護者の方にお願いしています。

 

費用の目安とその後の通院について

オルソケラトロジーは自由診療扱いとなります。3か月で99,980円です。
その後は1か月に1~2度ほどご来院いただき、定期的な検査等で眼の状態を確認しながら経過観察を行っていきます。光の屈折の度合いなどは個人差も大きくさまざまですが、数十分の使用でも見え方の改善を実感される患者さんが実際に多くいらっしゃいます。状態が改善されれば、毎日装着しなくても2~3日に1回の装着など徐々に回数を減らすことも可能です。

世界各国でその有用性と効果が認められてきたオルソケラトロジー

コンタクトレンズの歴史は古くは古代ローマ時代にまでさかのぼります。当時は半球状のガラスの器に水を入れ、それをレンズ代わりにして文字などを読んでいたと言われています。初期はガラス容器の外側から眺めて焦点をあわせるといった方法でしたが、次第にその器の中に顔を沈めてレンズとし、現在では眼に直接ガラスをあてることで現代のコンタクトレンズの形にまで進化してきました。一昔前に比べてもコンタクトレンズの製造技術も飛躍的に進歩し、視力改善のためにこのオルソケラトロジー治療を積極的に扱う取り組みが進んできています。

 

オルソケラトロジーは世界各国で30年以上前から研究が続けられている治療法であり、日本でも2009年より厚生労働省の承認を受け広く患者さんに親しまれてきた実績ある治療法です。その安全性と有効性が認められ、現在でもさまざまな機関にてさらなる研究が進んでいます。将来的な近視の進行抑制や予防効果も大いに期待されている治療法ですので、早期に治療開始できるほど改善の可能性も広がります。ご興味のある方はぜひ医師やスタッフまでご相談ください。